2015年05月24日

B3_Dancefloor_01

「マハラジャ」とは本来インドの王族の称号を意味する言葉だが、
日本では「ディスコ」のイメージだ。
僕らクラブ世代には「ディスコ」はバブル時代の遺物のように思える。
実際には、「クラブ」と「ディスコ」は似て非なるものだが、全く無関係ではなく、
そこには両者をつなぐしっかりとした長い歴史がある。
特に「ディスコ」は(日本では)40年近い歴史を積み重ねており、
よく耳にするディスコを連想させる言葉で言えば、「サタデー・ナイト・フィーバー」「ボディコン」「パラパラ」、
お店の名前でも「マハラジャ」と「ジュリアナ」では全部世代が違う。
恐らく30代半ば以下の人間にはここらがすべてごちゃ混ぜになってしまっていて、
まるで同時期にすべてが起こったように錯覚している人も多いと思う。

まず、「クラブ」と「ディスコ」の違いを明確にしておくと・・・
昔の記事で少しだけ語ったことはあったけど、
クラブ日記No.98 巨根伝説とコックリングナイト ~新宿二丁目「ArCH」
もう一度なぞっておくと、両者の大きな違いは
風営法(風俗営業等の規制および業務の適正化に関する法律)の管轄で、
「ディスコ」は「第二号・ナイトクラブ」に分類、「クラブ」は「第五号・喫茶店、バー(甲)」に分類される。
第二号はお店が酒を提供し、お客に踊らせることができる場所(時間は25時まで)
第五号は暗い照明の下で酒を提供する場所と定義されている。
第五号ではお客を踊らせてはいけないので、クラブが深夜に度々摘発されるのは、
この風営法のルールを守っていないからということ。
たまにクラブの中に「ダンス禁止」という張り紙があったりするのもそういうこと。

ただ、1960年代に日本で初めてディスコが出来て以来、
何度かの音楽ブームやダンスブーム、時折起こるディスコを中心とした社会的事件により、
流行り廃りを繰り返した経緯があり、「ディスコ」は「クラブ」に変わっていった。

「マハラジャ」が出来たのは1982年、大阪ミナミに1号店が出来た。
実は「ディスコ」を語る上で欠かせないのは、
「マハラジャ」に限らず、地方がブームを起こすきっかけになっていること。
※大阪のクラブが東京より盛り上がっているのは、
その遺伝子を未だに継いでいるからだと僕は思ってます。
その後、北海道から九州沖縄まで進出し、
1984年に出来た東京都港区の旗艦店「麻布十番マハラジャ」が社会現象となった。
1980年代後半の「第二次ディスコブーム(高級ディスコブーム)」を支えた有名店。

ちなみに、今となっては一般用語として誰もが知っている、
「ドレスコード」「黒服」「お立ち台」「ハニートースト」、
これらは全部マハラジャで生まれた言葉。
※この辺りは面白くて「コギャル」「ゲッターズ」なんかも元々はディスコ発祥の言葉。
あと、「マハラジャ」っていう店名の名付け親は、
運営会社の社長の友人だったんデヴィ・スカルノ夫人がつけたそう。

当時、麻布十番駅が無く、最寄駅が六本木駅しかなかった。
歩いていくには少々遠い、「陸の孤島」と呼ばれたが、
逆に、六本木駅から徒歩で行くような庶民ではなく、
高級車やタクシーを使って行く富裕層をターゲットにすることでマハラジャは成功した。
服装チェックを表す「ドレスコード」も行われ、男性同士の来店・カジュアルな服装での入店は拒否された。
店内にいる店員はその階級で制服を色分けされ、
役職者が黒い服を着ていたことから「黒服」と名付けられた。

当時のディスコの常識を打ち破った高級路線はその後のディスコに影響を与えた。
大理石・真鍮を使った豪華な内装、ライブ会場のような音響設備に、
趣向を凝らした本格的な料理、従業員の徹底したサービス。
これらはそれまでのディスコにはない斬新なものだったという。

そんなマハラジャも、1988年に起こった六本木のディスコの照明落下事故によって、
(この事件も興味深いんだけど、今回は割愛。死者が出たほどの大事故)
ブームが下火になり、細々と営業を続けた末、麻布十番店が1997年に閉店、
1998年に横浜店が閉店して、全国に「マハラジャ」の冠を持ったディスコは全て閉店した。

一度だけ2003年に「マハラジャ東京」が復活したが、2005年に閉店。
そして、再度2010年に「マハラジャ六本木」がオープンし、
2014年に「マハラジャ大阪」もキタにオープンした。

マハラジャの歴史はこんな感じ。
本当はもう少し深堀りして説明したいのだけれど、
そのためには「ディスコ」そのものも合わせて説明しないといけなくなるので、このくらいに留めておきます。
クラバーだったらこのディスコの歴史をなぞるのは面白いです。

2月某日日曜日 22時 @大阪梅田 MAHARAJA OSAKA(マハラジャ大阪)

そんな上記のようなマハラジャの知識が無いまま、僕はマハラジャに行ってしまった。
前情報としては、所謂ディスコに通っていた人たち(つまり、現在の40代~60代)が集っているということだけ。
そして、曜日や時間やイベントによっては、「チークタイム」があるという。

「チークタイム」とはその名の通り、チーク(頬)を寄せ合って男女が踊る時間である。
激しい音楽から一転、ムーディーな音楽が流れると、
男性は目をつけていた女性をナンパし、即席でカップルが出来上がるという。
ディスコではお馴染みの光景だったらしい。
まるで、小さい頃に遊んだ「フルーツバスケット」みたいだ。
溢れた人はどうするのだろう・・・?

年齢層の高い(もっと言えばおじいさんおばあさん)お客が踊っていること、
その人たちがチークタイムを楽しむこと、
これだけで見に行く価値があると思い、マハラジャの元祖・大阪で出かけることにした。

この日、大阪のIさんというブログを昔から読んでくださっている男性が
「アウルのVIP席にいるからおいでよ。」とありがたい言葉をかけてくださったが、
VIP席の誘惑よりじいさんばあさんのイチャイチャを見たい好奇心の方が上回ってしまった。

時間は22時、25時までの営業時間と聞いていたから丁度いい時間だろう。
マハラジャは少々街中から外れた、阪急東通商店街にあった。
正直、大阪に住んでいない僕にとってマハラジャが無ければ来なかっただろう場所だ。
「梅田」駅の南東にあり、最寄駅は地下鉄の「東梅田」駅と「中崎町」駅なのだが、
この二つの駅からも微妙に遠い。

image

入口は豪華絢爛で・・・って言いたかったけど、一部改装中でした。
入り口そばで黒服を着た受付のお兄さんに¥3000(2drink)を支払い入場。
すぐに階段があり、地下1階に降りるとそこはロビーで
ロッカールームとソファが並べられていた。
地下1階と2階が吹き抜けになっており、地下2階を見下ろす形でVIP席もあったのだが、
この日は立ち入り禁止になっていた。

地下2階がメインフロアで、1/3がVIP席(ロイヤル)、1/3がDJブースとお立ち台お呼びダンスフロア、
1/3がバーカウンターとVIP席という配置。

早速、地下1階のロッカーで荷物を預け、地下2階に降りて思ったのは
「やっぱり失敗だったかな・・・」ということ。
この日は日曜日、常識的にはもっともクラブに人がいない曜日だ。
それでも、大阪は曜日関係なく盛り上がっているから一縷の望みをかけて入ってみたが、
マハラジャは劇的に人が少なかった。
総勢40人。数えるほどしかいない。
次の日仕事だろうと学校だろうとクラブに行く大阪の若者と違い、
このディスコのターゲット層は、
会社の役職者クラスの男性だったり、子供の手が離れ朝からパートに行きそうな女性だったり、
ある程度お年を召しているから日曜日の夜遅くまではしゃいだりはしないのだろう。
それでも、40人のうち、30代と思われる人が2-3人がいて、残りは40代~60代のようだ。

人数が少ない中僕は一人で、若いこともあって非常に居心地が悪い。
手持無沙汰でもあったので、バーカウンターで瓶ビールを買って
ダンスフロアの後ろの壁に寄りかかりながら啜っていた。

店内を見渡すと、とにかくVIP席(ソファ)が多い。
これはマハラジャ特有のものだと思う。
お金を持っている人をターゲットにしていたので、(現在のスタンスは不明)
必然的に席が多めに置けるよう設計されていたはずだ。
しかし、座っている人は少ない。
店内にいる人も全員が席を取っているわけではなさそうだ。

僕がダンスフロアに入った時にはベタな洋楽が流れていた。
ピットブルとかマドンナとか。この辺りは普通のクラブと変わらない。
ノリのいい曲になるとDJブースの前のお立ち台に
女性が入れ替わり立ち替わり上りちょっと踊っては下に降りるのを繰り返していた。
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30分くらい経って、音楽も変わらないし人が増える様子もないし、
帰ろうかと思った矢先、少しずつ雰囲気が変わって、
それまでVIP席で腰を下ろしていた人たちがフロアに集まり始めた。

モクモクと激しくスモークが焚かれ、何人かのオバサマ方がDJブース近くの前の方で踊りだす。
最初は控えめだった5人ほどの女性は、音楽がディスコっぽくなるにしたがって盛り上がり、
ついにこの曲で、DJブース前のお立ち台に上り、並んで踊りだした。



Can't Undo this !!/Maximizor

題名を知らなくても聞いたことのあるこの曲は90年代のもの。
途中で「ホー」と合いの手を打つやつ。
(1:00辺りから聞くとピンと来るかと思います)

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その後も70年代80年代・現代のヒット曲が織り交ぜて流されていた。
所謂ディスコナンバーも時折流れ、音楽に詳しくない僕でも知ってる!って曲もあった。
よく分からないユーロビート調のものもあったり、それはそれできっと当時の名曲なんだと思う。



Dancing Queen /ABBA

スウェーデンのコーラス・グループ、 ABBA(アバ)の1976年発売のナンバー。



I'm in the mood for dancing/The Nolans

アイルランド出身の姉妹ボーカルグループ、ノーランズのアルバム収録曲(1979年発売)
日本ではシングルカットして発売された。邦題は「ダンシング・シスター」。



Get to Be Real/Cheryl Lynn

イントロを聞けば誰もが知っている、

ロサンゼルス出身のゴスペル歌手シェリル・シンのデビュー曲。(1978年発売)



Fantasy/Earth,wind&Fire

シカゴのバンド「Earth,wind&Fire」の1978年発表の曲。



I Should Be So Lucky/Kylie Minogue

オーストラリアのアイドル歌手カイリー・ミノーグの世界デビューシングル。
1987年リリース。邦題は「ラッキー・ラヴ」。

最終的には、この後、BIGBANGの曲が5曲程続いた後、
EXILE・3代目J Soul~の曲が流れ始めたところで僕は店を後にした。

残念ながら、この日はチークタイムとやらは見ることが出来なかった。
特定の曜日に完全に80年代のディスコを再現した選曲をするイベントをやっている時があるようなので、
その際には観れるのかもしれない。

最初に洋楽のヒットチャート、最後に韓国アイドルだのザイル系の曲がかかっていたことが示す様に、
現在はクラブっぽい曲も流している。
DJブースの後ろの画面には近いうち鈴木あみがゲストで来る旨の告知が流れていたし、
ホームページ上には「レイザーラモンRG」「DJ HELLO KITTY」「渋谷のあっくん」など今風のゲストが
時折呼ばれていると書かれていた。
ただ昔のディスコをなぞって、懐かしく感じる過去のお客を呼び寄せるだけでは
きっとお店が成り立たないことから工夫しているのだと思います。

今度はどこかのタイミングでマハラジャ六本木にでかけてみようかと思います。
今回、ディスコについても素人なりに触れながら書いてみたけど実体験が無いから
なかなかうまく書けませんでした。
そんなにいらっしゃらないと思うけど、もしお読みいただいている方の中で、
「ディスコ行ってたよ」とか「多少はディスコ語れるよ」って方はご教授ください。

よろしくお願いいたします。

【MAHARAJA】
〒530-0027
大阪市北区堂山町 10-3 東通りビル 1F・B1・B2
営業時間: 19:00~25:00
TEL: 06-6130-7115
HP:http://maharaja-o.jp/

次回は引き続き、日曜の大阪のクラブ「ピカデリー」「オンジェム」編です。

※本文とは関係ないんだけど、最近livedoorの仕様が変わって、
登録していた「日記」カテゴリーから「アダルト」カテゴリーに強制変更されました。
表示される広告もエロ系になってるし、非常にショックです。
「アダルト」じゃない!って言いたいんだけど、内容的には微妙すぎて、
運営に文句も言えず悶々としています・・・。


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a>16:48│コメント(4)日記 | 大阪編このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事へのコメント

1. Posted by チック   2015年05月26日 21:10
みこさん、初めまして。
いつも興味深く拝読させてもらってます、アラサーリーマンです。

ディスコ~クラブの関係が気になっていたものの調べるまでは・・と思ってた所、面白い記事有難うございます。

前回の台湾のクラブ事件の記事といい、歴史的背景から理解できるので楽しみにしてます。

私も数か月に一度の一人クラブ&ナンパ程度ですが、どこかで会った際にはよろしくです。

それでは、今後の記事も期待してます。
2. Posted by 矢田@医療職兼業トレーダー   2015年05月29日 13:55
マハラジャ、懐かしい響きです。
今のクラブ事情、全然知らないです~。

応援しておきました。ポチッ
3. Posted by 御子柴清麿   2015年05月31日 20:19
To:チックさん

はじめまして。
お読みいただきありがとうございます。

このブログではあまり人が書かないことを書いていきたいので、
参考になれば嬉しいです。
クラブブログもナンパブログも山ほどありますので、
そんな中でコイツ物珍しいこと書いてんなーと思われるのを目指してます。

引き続きよろしくお願いいたします。
4. Posted by 御子柴清麿   2015年05月31日 20:23
To:矢田さん

リンク先訪ねたところ、
金融系の真面目なブログを書かれているのですね。

下品な当ブログをお読みいただきありがとうございます。
いや、読んでないんでしょうね。笑
たまたま通りかかっただけでしょうか。

「投資」については僕はよく分かりません。
その日をなんとか凌ぐのに精いっぱいの生活なので・・・。

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